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1. 定額昇給のみ、個人商店の集まり——導入前の組織の実態
白水
まず御社の事業内容と、導入前の評価・報酬制度の状況を教えていただけますか?
栗田様
当社は労働者派遣事業と有料職業紹介事業を34名で展開しています。導入前は、営業職には歩合制があったものの、それ以外の職種は年に1回の定額昇給のみでした。頑張っている従業員には頑張りに応じた昇給をさせてあげたいという社長の思いがずっとあって、営業職以外の職種もきちんと適正に評価できる仕組みが必要だと判断しました。
白水
当時の組織課題として、「個人商店の集まり」という言葉が印象的でした。その辺りを聞かせていただけますか?
栗田様
歩合制だったこともあって、特に営業職は各自が自分の成果だけを追う状態になっていました。そのため会社が意図することが現場になかなか落ちていかない。成果は上がっていたものの、従業員が増えて組織が大きくなっていく時に手がつけられなくなるという危機感がありました。評価制度でその部分をいい方向に持っていけたらと考えていました。
2. 評価制度ゼロからのスタート。外部依頼とOGS選定の理由
白水
内製ではなく外部のコンサルに依頼しようと思われた理由を教えてください。
栗田様
恥ずかしながら、社長も私も、評価制度を1から作った経験が一度もなかったんです。そもそも評価制度がある会社で仕事をしてきた経験もない。単純に外部に頼らざるを得ない状況でした。最初から外部に依頼することは決めていました。
白水
4〜5社を比較検討されたとのことでしたが、OGSを選んでいただいた決め手はどこにありましたか?
栗田様
正直に言うと、まずコスト面は大きかったです。コンサルの費用としてはOGSさんが一番中小企業の我々に合った費用感でした。ただそれだけではなくて、支援内容自体はどこも同じような伴走型だったのですが、OGSさんだけが「自走できることを目指す」というコンセプトを持っていた。評価制度はメンテナンスし続けることが必要なので、自分たちで回せるようになることが大事だと思っていたので、そこが刺さりましたね。
白水
OGSの大事にしている考え方に共感いただき大変嬉しいです!その自走に繋げるための、動画視聴による事前学習というスタイルはいかがでしたか?
栗田様
非常に勉強になりました。制度設計を進めていく上で、基礎となる知識が最初に入っていたことは大きかったです。ミーティングに臨む前に共通認識が取れているので、議論の質が全然違うと感じました。
3. 支店長制から事業部制へ。組織体制の大改革
白水
評価制度の構築と並行して、組織体制も大きく変えられましたよね。どのような改革をされたのでしょうか?
栗田様
それまでは支店長制でしたので、拠点間での繋がりがなく、各営業が個々に成果を上げる構造でした。それを事業部制に切り替えて、チームや組織で成果を最大化していく方向に変えました。役職や階層もきちんと整理して、個人がバラバラに動くのではなく、みんなで同じゴールを目指す形に変えていきました。
白水
反発が出ることも想定された中での、かなり大きな決断でしたね。
栗田様
そうですね。ただ、会社のゴールを達成するためにはこの変化が必要だという確信が社長にも私にもあったので、OGSのお力を借りながら強く意思決定しました。中小企業だからこそ、こういう組織の根本的な部分を変える決断が、後の成長を左右すると感じていました。
4. 「私たちの給料どうなるんだ」——現場の不安を受け止めた戸澤様の取り組み
白水
戸澤さんは途中からこのプロジェクトに加わって、運用の中心を担われましたね。最初の現場の反応はどうでしたか?
戸澤様
一般メンバーの方々はもう不安でしかなかったと思います。実際に「私たちの給料はどうなるんだ」「評価はどうなるんだ」という不安も聞こえてきました。私自身は、1年かかっても3年かかっても、どこかのタイミングで「きちんと評価されてよかった」となる瞬間がくると確信していたので、そのゴールを見て運用していこう、そういうスタートでした。
白水
その不安をどうやって解消していったんですか?
戸澤様
「何をもって評価するのか」を明確に示し、メンバーに評価制度の目的と構造を理解してもらうことを最優先に取り組みました。その上で並行して、一人ひとりの強みや特性、想いを深く理解することにも注力しました。営業会社である以上、売上という評価軸は当然重要です。ですが、今後さらに採用を強化していく中では、単に成果だけを見るのではなく、本人の強み・弱み・価値観を理解し、それぞれが力を発揮できる体制を構築していく必要があると考えています。そのため、まずは徹底してメンバー理解に向き合いました。
白水
管理職への評価制度浸透についてはいかがでしたか?
戸澤様
管理職に関しては、現場で起こっている課題を全部吸い上げて1個ずつクリアにしていく作業を、何度も何度もやりました。その熱量をもって向き合い続けることが、現場への浸透につながったと思っています。
5. 個人商店からチームへ。1年半の運用で見えてきた変化
白水
運用を始めて1年半が経ちました。組織の変化として感じていることを教えてください。
戸澤様
「同じ方向を向き始めた」という感覚が現場でも出てきています。各個人が自分の強みを活かしながら、組織のゴールに向かって動く文化が少しずつ生まれてきていると感じています。
白水
KGIからKPIを分解して、個人に目標設定のできるようになって、現場の成果は変わりましたか?
戸澤様
大きく変わりました。組織体制を変えて役割責任を明確にし、各個人ごとに目標を明確(定量化)にしたことで、メンバーの変化が見えやすくなったんです。業績が急に伸びたメンバーが見える化できたり、逆に落ちたメンバーには早めのフォローができたり。目標設定で言語化されたキーワードをもとに上司と部下の会話が生まれるようになったのも大きな変化です。目標への意識が強くなったため、早速、粗利率の改善にもつながっています。
白水
栗田さんから見て、組織の変化は感じますか?
栗田様
評価制度が入ることで、会社が意図することを一般のメンバーまで分かりやすく示せるようになったことが一番大きいです。「どこに走っていけばいいのか」が以前より格段に見えやすくなった。入れたばかりの頃は「本当に大丈夫か」と正直不安な部分もありましたが、やっと成果が見え始めてきたので、今はやってよかったと感じています。
6. 今後の課題と自走化への展望
白水
当初スモールゴールにしていた自走化という点ではいかがですか?
栗田様
目標設定の難易度の調整がまだ難しいと感じています。適正なレベルに設定する精度を上げていくこと、そして賃金テーブルの見直しも必要だと感じています。ただ、今まで何度も修正を重ねてきた中でPDCAの回し方は、OGSさんからもご教示いただき理解できてきているので、自走化はできそうだという感触を持っています。
戸澤様
自走は可能だと思っています。ただ、社内への浸透度や満足度のバランスを取りながら、常にブラッシュアップし続けることが大事だと思っています。評価制度にゴールはないので、よかったという声を増やし続けながら、現場で回し続けていくことが大切だと感じています。
7. 同規模の会社へのメッセージ
白水
最後に、30〜50名規模の中小企業で評価制度の導入を検討している方へ、メッセージをいただけますか?
戸澤様
今までは上司にうまく取り入れば給料が上がるという時代もあったと思いますが、実績に応じてきちんと正当に評価できる仕組みを整えることが、これから多様化する働き方の中では絶対に必要だと感じています。時代の変化に適応していく組織を創っていくという観点からも、評価制度は入れた方が良いと思います。
栗田様
人数が少ない中小企業こそ、入れるべきだと感じています。社長の一存で昇給の額や可否が決まっている会社がまだまだ多いと思いますが、2人でも3人でも組織として動くなら、誰がどれだけ会社に貢献しているかをきちんと評価してあげることが大切だと、今回のプロジェクトを通じて改めて思いました。成果を出した部分は還元する、それが透明に見えることで従業員のモチベーションが上がり、ゆくゆくは会社の業績向上につながっていく。そう確信しています。
白水
本日は貴重なお話をありがとうございました!お二人のお話から多くの学びをいただきました。今後も組織づくりのパートナーとして、引き続きご一緒できればと思います!