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光村教育図書株式会社

変化の波に立ち向かう。28年前の評価制度を刷新し、戦略連動型評価制度で社員のベクトルを揃えた中小企業の挑戦

光村教育図書株式会社 代表取締役社長 湯地 修治様・常務取締役 金子様 x OGSコンサルタント 白水

企業理念もなく、A/B/Cをつけるだけのペラ1枚の評価シートを28年間使い続けていた光村教育図書。執行部刷新を機に「社員全員が向かう方向を揃えたい」という思いから評価制度の全面見直しに踏み切った、代表取締役社長の湯地様と常務取締役・金子様に、導入の背景から1年間の変化、率直な費用対効果の評価までをお聞きしました。

28年前の評価制度を運用。企業理念もなし。「今変えなければ」という決意。

白水:
評価制度を見直そうと思ったきっかけを教えていただけますか?

湯地様:
すべての始まりは、今の執行部3人体制が始まった2022年です。当時、我が社にはまだ「企業理念」というものがなくて、会社全体の指針になるものがなかった。それに加えて、教育産業全体にデジタルの波がもろにかぶってくる状況で、市場や顧客の変化に適応しなければ生き残れないという危機感が執行部にありました。社員みんなが不安を感じていた中で、全員を同じ方向に向かせる仕組みをつくらなければいけない、そのためには評価制度の設計が必要だと考えました。評価制度というのは単に査定するためのものではなく、「会社としてどういう方向に進むのか」「そのためにどんな人財が必要か」を示すものだと思っています。

白水:
ご支援が入る前の評価制度はどのような状態だったのでしょうか?

金子様:
私が入社してもう30年になるので、28年前、もしかしたらそれ以上かもしれません。10項目くらいの評価項目に対してA、B、Cをつけるだけのペラ1枚のシートがずっと続いていました。主観的な評価、ある意味で属人的な運用になっていた部分があって、「会社としてどのような人財を評価するのかが曖昧だな」とずっと感じていました。会社として何を期待するのか、昇格基準は何か、といった部分が全く明確になっていなかったんです。

湯地様:
誰が頑張っているかどうかがなかなか見えない仕組みでした。それなのに一番現場から遠いはずの当時の社長が「あれがいい、これがいい」と言う状態でしたので、「成果を出している従業員に光が当たらないな」ということを、今の執行部メンバーで思っていました。

白水:
若手社員からも、変化を求める声が上がり始めていたとのことでしたね。

金子様:
最近入ってくる社員から「この会社でどういう自己実現ができるの?」「社員としてどう成長できるの?」という声が出るようになってきていました。周囲の同期が上場企業に行ったりする時代ですからね。口頭で個別に返答していくより、一辺に説明・提示できる「制度」を入れるのが一番合理的だと思いました。また、組織変更や役割整理を進める中で、会社の方向性を浸透させるための評価制度が必要であると強く感じていました。

制度の客観性と納得感を高めるため、外部専門家の支援を受けることにした

白水:
外部のコンサルを入れることへの不安はなかったですか?

湯地様:
不安はなく、むしろ入れるべきという考えでした。社内だけで作っても、社員に「本当にこれでいいの?」「素人が作ったんじゃないの?」と言われてしまえばそれまでです。うちには知識をかじっている人間もいるので、専門家が入っていないと説得力が持てない。外部の知見も借りながら、良いものを作りたいという思いが強かったです。

金子様:
私は正直、最初は不安がありました。特に「現場を理解せずに一般論だけで進むのではないか」という懸念はありました。ただ、実際には弊社の業務内容や文化、組織課題をかなり丁寧にヒアリングしていただいて、テンプレートを押しつける形ではなかったので、その不安は比較的早い段階でなくなりました。ただ、運用の部分は大変だろうなという覚悟はしていました(笑)。

大手コンサルの重厚なプレゼンに違和感。中小企業に寄り添うOGSを選んだ。

白水:
3〜4社を比較検討された中で、最終的にOGSを選んでいただいた決め手は何でしたか?

金子様:
一番は「白水さんだったから」です(笑)。白水さんが誠実に色々と対応してくれたことが最大の決め手でした。うちの役員3人全員が「白水さんだったらちゃんとやってくれそうだ」という信頼感を持っていました。それに加えて、制度だけを作るのではなく「運用できる形まで一緒に考えていただける」点、そして「最終的に自社で自走できる状態を目指す」という考え方に強く共感しました。

湯地様:
我々は中小企業、もっと言えば零細企業という部類に入ります。大手コンサル会社のプレゼンを聞くと、何百人・何千人単位の重厚長大なシステムのように聞こえてしまい、「これを自社でやるのは大変だな」と感じていました。でもOGSさんの資料を読むと、ちゃんと中小企業向けの等身大の内容になっていた。「うちでもできるかな」と思えたのが大きかったです。

金子様:
費用面で大きな差があったわけではなかったので、最後は「人(信頼感)」で決めました。社員一人ひとりが実際に運用できるか、現場に定着するか、という視点をOGSさんが重視されていたので、そこに共感したのも大きかったです。

単なる制度導入を超えた「経営整理」のプロジェクトへ

白水:
実際に支援が始まってからの印象はいかがでしたか?

金子様:
一方的に制度を提示されるというより、かなり対話型で進んだ印象があります。弊社の考えや現場の実態を整理しながら、「それを制度にどう落とし込むか」を一緒に作っていく感覚でした。そのため、単なる制度導入ではなく「経営整理」に近いプロジェクトになったと思っています。白水さんはこちらの話をすごく丁寧に聞いてくれるので、毎回時間が押してスケジュールが長引くんですよね(笑)。でもそれだけ中に入り込んでくれたので、うちとしては非常にプラスに働きました。

湯地様:
丁寧であることはむしろ大歓迎でした。プロジェクトが初期メンバーから拡大メンバーへと広がって、白水さんが現場の社員と直接キャッチボールするようになってからも、社員みんなが納得して話を聞いていたので「さすがだな」と思いました。「これは自分たちだけでは絶対にできなかったな」と感じました。

会社の目指すべき方向性を示した評価制度。自走化に向けた動画学習。

白水:
経営戦略・方針と評価制度の接続は、どのように整理されましたか?

金子様:
評価項目を単純な作業評価にするのではなく、「会社として今後どういう組織を目指すのか」「何をこの1年間の目標(KGI)にするのか」から逆算して接続しました。経営理念・事業戦略・組織体制・数値(KPI)などを改めて整理し、各個人に期待することを明文化しています。単なる査定制度ではなく、「会社の目指すべき方向性を示す制度」として整理できたと思います。

湯地様:
この執行部になってから「中期5カ年計画」を先に作っていたので、中心となる重要項目は決まっていました。そのため事業戦略と評価を連動させる落とし込みは、社員もそれほど違和感なく受け入れられたと思います。もしゼロから企業理念や中期計画を考えようとしていたら、そこで半年以上悩んでいたと思うので、先に苦しんで作っておいて良かったです。

白水:
事前課題として動画学習をご覧いただきましたが、いかがでしたか?

湯地様:
細かいところまで全部分かる必要はないんですが、「アウトラインが掴めるかどうか」が大事だと思っていて、その意味では非常に良いツールでした。あれがないと「全体が分からないのに、今自分はどこをやってるんだ?」と迷子になってしまう。動画で繰り返し確認できる仕組みがあったことで、社員側も理解を深めやすかったと思います。ただ、うちは1.5倍速がちょうど良いという声が現場から出ていましたね(笑)。

金子様:
改めて見ると納得しながら見られました。ただ、共通アカウントで運用していたので「どこまで見たか」が分からなくなってしまって(笑)。後半は1.5倍速で一気に見直したりもしました。「最終的には自社で回せる状態を目指す」という考え方だったので、依存型ではない点も良かったです。

白水:
率直なご意見ありがとうございます!本件、早急に改善いたします。

導入1年で現場の不安感が軽減。自走への確かな手応え。

白水:
運用を始めて1年ほど経ちますが、社員の行動や意識に変化は生まれましたか?

湯地様:
まだ1年ですので目に見えるような定量的な成果は出ていないのが正直なところです。ただ、追いかけるべき指標や弊社の価値基準を明文化した評価シートを作成したので、お互いに目標をコミットできているかをみんな気にするようになりました。「社員に求める役割や社員としての基本的な在り方」が可視化されたことで、自覚・意識し始めている。自身のやるべきことが明確になったので、現場の不安感が軽減されているのは間違いないです。

金子様:
「会社が何を求めているのか」は以前より伝わりやすくなりました。専務なんかは「評価制度を意識しよう」と口癖のように言うようになっていて(笑)。今まで主観的な感覚でマネジメントしていたことを、評価制度という客観的な基準を1個挟んで伝えることで、コミュニケーションがとりやすくなったという変化は出てきています。

白水:
自走化の度合いとしては、今どんな状態でしょうか?

金子様:
かなり自社主導で進められる状態にはなってきています。もちろん、目標設定についてまだ理解が浅い部署もありますが、制度導入の目的や考え方自体は社内に浸透してきており、管理側でも整理しながら運用できるようになってきました。私の管轄する広報室のある社員の目標設定が最初は甘くて、簡単に150%クリアしちゃったりということも起きましたが(笑)、それも試行錯誤の一部で、1〜2年は回しながら微調整していくしかないかなと思っています。

湯地様:
今はまだ「今の制度をバージョンアップしている段階」ですが、全員が「これは会社に必要なものだ」と思ってくれているので、PDCAを回しながら一つずつクリアして進んでいる感じです。数値管理や課題共有の頻度は増えており、組織として同じ方向を向いて動けてきているという実感があります。

組織整理・人財育成・経営方針整理まで含めた費用対効果

白水:
費用対効果という観点では、率直にどう評価されていますか?

金子様:
単純な評価制度構築費用というより、組織整理・人財育成・経営方針整理まで含めた「投資」だったと考えています。評価制度単体ではなく、そこまで繋がったので、費用対効果は十分感じています。正直なところ、今この状態で完全に自走できるかというとまだ不安もありますが、投資としての価値は間違いなく感じています。

湯地様:
何か問題が起きたときに、社内で100%答えられる人間がまだ育っていないのは課題としてありますが、継続していくことで自走できると考えています。中小企業はみんなプレイングマネージャーなので、良くしようと思ってやることが逆に負担になっていく危険がある。煩雑にならないよう管理部門がしっかり担っていくこと、そして経営トップが「進めるんだ」という気持ちを持ち続けることが、一番大切だと感じています。

白水:
最後に振り返って、評価制度を入れてよかったかどうか、率直に聞かせてください。

湯地様:
評価制度を再構築して本当に良かったと思っています。またOGSさんとお付き合いして、間違いなかったと確信しています。あとは成果に繋げられるか、繋げられないかは、自分たち次第だなと思っています。

金子様:
同じく評価制度を再構築して良かったです。特に「なんとなく運用されていたものを言語化できた」ことは大きかったと思います。会社として何を重視するのか、社員に何を期待するのか、どういう組織を目指すのか、を整理できたことに一番価値があったと感じています。今までは主観的な部分が多くて、全員が真ん中の評価になっていたこともありましたが、今は誰が見ても明確に上下が出るようになってきた。経営判断にも活用できるようになってきたので、絶対に必要なものだと思っています。

白水:
評価制度を通じて、経営整理の観点でもご評価をいただけたこと、大変嬉しく思っております。組織基盤が着実に固まりつつある状況ですので、ここからさらに事業成長につながるご支援ができればと考えております!引き続きよろしくお願いいたします!
本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!

 

編集後記

「1枚の評価シートを28年間使い続けてきた」——そのリアルな言葉が、このインタビューの重さを物語っていました。変えたくても変えられない。そんな中小企業特有の「動き出せない壁」を、執行部刷新というタイミングを逃さず推進されたお二人の決断力に、大きな刺激をいただきました。「評価制度は査定のためではなく、会社の方向性を示すもの」という湯地社長の言葉は、まさに私たちOGSが大切にしてきた考え方と完全に重なるものでした。デジタルの波という外部変化に正面から向き合いながら、組織の内側から変革を起こそうとされているお二人と、これからも一緒に走り続けられることを楽しみにしています。

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法人名・店舗名
光村教育図書株式会社
所在地
〒141-0031 東京都品川区西五反田2-27-4 明治安田生命ビル7F
代表者
湯地 修治
事業内容
学校教材・辞典および児童用図書等の出版ならびに販売
公式サイト
https://www.mitsumura-kyouiku.co.jp/

編集後記

「ペラ1枚の評価シートを28年間使い続けてきた」——そのリアルな言葉が、このインタビューの重さを物語っていました。変えたくても変えられない。そんな中小企業特有の「動き出せない壁」を、執行部刷新というタイミングを逃さず突破されたお二人の決断力に、大きな刺激をいただきました。「評価制度は査定のためではなく、会社の方向性を示すもの」という湯地社長の言葉は、まさに私たちOGSが大切にしてきた考え方と完全に重なるものでした。デジタルの波という外部変化に正面から向き合いながら、組織の内側から変革を起こそうとされているお二人と、これからも一緒に走り続けられることを楽しみにしています。
  • 28年前の評価制度を刷新。出版会社の挑戦

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    変化の波に立ち向かう。28年前の評価制度を刷新し、戦略連動型評価制度で社員のベクトルを揃えた中小企業の挑戦

    光村教育図書株式会社

    業種
    学校教材・辞典および児童用図書等の出版ならびに販売
    従業員数
    20-50名
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    従業員数
    20-50名
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