医療・クリニック
B-Leaf Medical内科小児科クリニック
顧問税理士も驚いた、開業半年での組織創り。医療機関がマーケティングより先に評価制度を創るべき理由
B-Leaf Medical内科小児科クリニック 院長 小野間 祐介様 x OGSコンサルタント 白水
「なぜこの程度しか評価されないんだ」——過去のスタッフ反乱という苦い経験を糧に、開業直後から評価制度の構築に踏み切ったB-Leaf Medicalの小野間院長。
定量と定性のバランスを追求した評価制度の導入から2年、評価への不満がない組織が出来上がった背景ついてお聞きしました。
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「頑張っているのに評価されない」—現場の不安・不満からの学びとは?
白水:
小野間院長は、開業間もない時期から評価制度の導入を検討されていましたね。その背景について教えていただけますか?
小野間院長:
実は私はクリニック運営のほかに、2018年に起業した株式会社の役員も務めており、理学療法士を採用した整体院・自費リハビリ事業も運営しています。その会社の創業2年目に、スタッフからの”反乱”が起きてしまったんです。
白水:
スタッフからの反乱、ですか。具体的にどのような状況だったのでしょうか?
小野間院長:
理学療法士は非常に優れた医療専門職ですが、経営の数字や売上・利益といった観点にはあまり触れてこないケースが多いです。特に自費診療は保険診療と比べて単価が大きく異なるため、「自分の働きがどれくらいの利益につながっているのか」を実感しづらい側面があります。その結果として、「これだけ頑張っているのに、なぜこの程度しか評価されないのか」という不満につながってしまいました。その後、一人ひとりと向き合ったことで関係性としては良い方向に解決することができましたが、「どう頑張れば、どう評価されるのか」を可視化しなければ、現場の不安や不満は解消されないということを強く痛感しました。
白水:
その経験が、今回のクリニック開業直後の早期導入につながったんですね。
小野間院長:
そうです。前の会社で評価制度をしっかり作り込んだところ、組織の不安が大きく減ったという成功体験がありました。過去の苦い経験と成功体験の両方があったからこそ、クリニック開業の初期段階から迷わず制度づくりに踏み切れました。
開業半年での決断。顧問税理士も驚いた「組織創りへの投資」
白水:
開業直後にコンサルを入れるのは、業界でもかなり珍しいケースだと思います。周囲の反応はいかがでしたか?
小野間院長:
顧問税理士からは「開業直後からそんな高額なコンサルを入れるなんて、騙されているんじゃないか」「普通はマーケティングの広告に投資する時期だ」など言われ、とち狂ったのではないかと心配されました(笑)。ただ、スタッフと事業を成長させるためには組織の基盤を整えることが最優先だという確信があったので、迷いはありませんでした。
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白水:
医療機関の評価制度には、一般企業とは異なる難しさもありますよね。
小野間院長:
医療機関の評価はどうしても「なんとなく頑張っている」という定性的なものになりがちで、評価者のさじ加減で変わってしまいます。そのため、不公平感をなくすためには定量評価をベースにしっかり作り込む必要があるのですが、数字だけでガチガチに縛りすぎてもうまくいかない。その「定量と定性のバランス」が、私が一番重視していたポイントでした。
複数社を比較した上で、OGSを選んだ3つの理由
白水:
パートナー選びでは、他にどのような選択肢を検討されていましたか?
小野間院長:
当時流行りの360度評価を専門とする会社や数字重視のマネジメントを推奨する会社など、3社ほど比較しました。ただ、360度評価は一見すると”楽”でスタッフ間の雰囲気や関係性を重視した評価ができそうに見えますが、組織のベクトルを揃えるためには、上の役職者が下の役職者を明確にジャッジする形にしないとブレてしまうと考え、見送りました。
白水:
数字重視のマネジメントを推奨する会社についてはいかがでしたか?
小野間院長:
合理的な割り切りがフィットする業界もあると思いますが、医療従事者はエモーショナルな繋がりやハートフルな患者さん対応を重視する人が多い。数字だけで評価してしまうと、人が離職してしまうと考えました。
白水:
最終的にOGSを選んでいただいた決め手を教えていただけますか?
小野間院長:
大きく3つあります。
1つ目は、OGSさんが「定量をベースにしつつ、定性面も大切にする」というバランスを持っていたことです。
2つ目は、私一人ではなくリーダー陣も巻き込み、3名でミーティングに参加できるという”自走化”のアプローチに共感したことです。組織に制度を根付かせるためには、上から一方的に落とし込むのではなく、現場の理解と合意形成をしながら進めることが不可欠だと考えていました。
3つ目は、白水さんとお話しした際の、経営や評価に対する考え方への深い共感です。価値観が一致する相手と仕組みをつくることが最も重要だと感じており、その誠実な姿勢が伝わってきたことが、最終的な決め手となりました。
リーダーの当事者意識を生んだ自走化トレーニングとは?
白水:
1年間の伴走支援の中で、不安などはありませんでしたか?
小野間院長:
正直、不安はほとんどありませんでした。自走化トレーニングの動画コンテンツが体系的によくまとまっていて、「なぜこの制度設計が必要なのか」という理論的な背景から理解できるようになっていたので、現場での実践にも迷いなく取り組めました。また、リーダー陣と一緒に学ぶプロセスがあったことで、私一人ではなくチームとして制度に対する当事者意識が生まれていきました。
小野間院長:
制度そのものを「自分たちで作ったもの」として捉えてもらえるようになり、運用に対する当事者意識が大きく変わりました。上から押しつける形では、どんなに良い制度でも現場には根付かない。このプロセスが、結果としてその後の組織の自走化の土台になったと感じています。
導入2年で見えた効果。組織が自走し始めた。
白水:
本格運用から2年ほど経ちますが、現在の状況や見えてきた効果について教えてください。
小野間院長:
最大の効果は、「なぜ自分がこの評価なのか」という不満の声が出ていないことです。開業初期から「うちはこういう評価制度で進めていく」と、面接やオリエンテーションの段階から一貫して伝え続けてきたことに加え、毎月1回の1on1で「このままだとここが未達になるよ」「ここは期待しているよ」といった進捗確認を、地道に続けてきたことが大きいと思います。その結果、最終評価の段階でも「確かにそうだよね」と、本人たちが納得できる状態がつくられています。
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白水:
現在の課題や、今後のブラッシュアップの予定はありますか?
小野間院長:
クリニックという業態の特性上、ドクター以外の職種は個人の売上が直接見えにくいため、より売上や成果に直結するKPIの設計へと、段階的に見直しを進めています。また最近では、リーダー陣から「評価項目が多いので、もう少し絞ったバージョンを作るのはどうか?」といった前向きな意見も出るようになってきており、方針を現場に浸透させるための”評価項目数の最適化”にも取り組んでいきたいと考えています。さらに、現在、役職やキャリアプランに応じて評価シートを自ら選択できるカスタマイズ制で運用していますが、今後はその運用精度を高めながら、現場主導でPDCAを回し続けられる仕組みとして、さらにブラッシュアップし、スタッフと組織の成長に繋がる仕組みにしていきたいです。
同業者(医療機関・クリニック)へのメッセージ。医療機関こそ組織創りに投資すべき。
白水:
医療・介護・福祉業界では、評価制度の導入や組織づくりがまだ後回しになりがちです。いち早く動かれた小野間院長から、同業者の方へのメッセージをいただけますか?
小野間院長:
費用を投じる際、どうしても集患やマーケティングのほうに投資が偏りがちだと思います。ベースアップ評価料などの導入など、国の大きな流れに乗っていかないと構造的に淘汰されてしまう時代になってきています。現状維持を貫こうとすると、高い確率で衰退していってしまう。医療機関という狭い枠組みだけで周りを見ていると失敗すると思っています。私には株式会社を経営している側面もあるので、常に「一般企業だったらどう動くか」という視点を持つようにしているんです。そういった意味でも、組織づくりへの投資は大きな意味を持ちますし、しっかりと取り組んでいけば決して損はしない投資だと確信しています。
「医療の可能性を拡張し、国の幸福度を上げたい」—院長が描く次のビジョン
白水:
最後に、これから見据えているクリニックのビジョンについてお聞かせいただけますか?
小野間院長:
私は、「医療の可能性を拡張し、国の幸福度を上げたい」と考えています。現在の保険診療は、どちらかというと「マイナスをゼロに戻す」、つまり病気を治すことが中心です。ただ私は、その先にある「人のパフォーマンスをプラスにしていく医療」を実現したいと考えています。例えば、栄養療法や運動療法を取り入れながら、単に病気を治すだけでなく、「より健康に、より前向きになれる状態」を支援していきたいんです。それが結果として国全体の幸福度向上にもつながると信じています。
白水:
素晴らしいビジョンですね。
その実現に向けて、組織づくりの面では今後どのようなステップを描かれていますか?
小野間院長:
組織の3層構造をさらに強化して、現場をまとめるマネージャーやディレクターを育て、各部門が自立して動けるようにしていきたいです。そのためには「評価制度」をしっかり機能させることが絶対に必要なので、これからも真剣に向き合っていきます。
白水:
医療の在り方そのものをアップデートしようとされるビジョンと、それを支える組織づくりが明確につながっている点が非常に印象的でしたし、胸が熱くなりました。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!
- 法人名・店舗名
- B-Leaf Medical内科小児科クリニック
- 所在地
- 〒305-0034 茨城県つくば市小野崎446-1
- 代表者
- 小野間 祐介(院長)
- 事業内容
- 内科・小児科診療